ブレイドロンド ストーリー
世界秩序を守るために魔女クレミエールにより設立された組織《ローズ》。そこで働く者たちは畏敬の念を込めて《薔薇の使徒》と呼ばれている。中でも直接的に悪を討伐する役割を担っているのが、伝承を剣として具現化する力を持つ《ソーディア》と呼ばれる剣士たちである。その《ソーディア》であるあなたは、通りかかった森で助けを求める少女の声を聴く。右手に刻まれた《薔薇の紋章》の名誉にかけて、悪を挫き弱きを助けるため声の方へと向かう。行き着いた先では王女シャンヌイが少女に剣を突きつけていた。戦いの末に彼女を打ち破ると、《ローズ》の始祖であるクレミエールが現れてあなたに告げた。「《薔薇の紋章》はあなたを蝕む呪いなのだ」と。そして困惑するあなたを残したまま、彼女は消えた。
あなたは森の中で、突如として牛頭の巨人フスカスに襲われる。その殺意に気圧されて、古びた洋館に逃げ込む。しかし、それは商家ポリコロニアの令嬢リジェカの罠であった。姿を現したリジェカはあなたにヴェロニカの居場所を詰問する。ヴェロニカとは《ソーディア》に力を与える不死の魔女の名である。しかし末端の剣士であるあなたにその居場所など知る由もない。口をつぐんでいるあなたに業を煮やした彼女は、フスカスと共に襲いかかってきた。彼女らを剣の一閃で消し去ると、あなたの前にまたもクレミエールが現れる。「この地は剣の力の源である伝承の人物たち、即ちイデアが生きる世界。人が生きられる場所ではないが、その《薔薇の紋章》があなたをここへ導いた。理由が知りたいならヴェロニカを観察することだ」言葉が終わるやいなや右手に痛みが走り、咄嗟に《薔薇の紋章》に目を向ける。一瞬の間を置いて再び彼女に振り返ると、そこには始めから誰もいなかったかのように虚無の空間だけがあった。
あなたの右手にある《薔薇の紋章》は、ヴェロニカより与えられた《薔薇の使徒》の証だ。クレミエールの言葉によれば、この紋章には悪意が含まれているという。《ローズ》への忠誠が揺らぐあなたは当のヴェロニカを求め彷徨う。そしてついに光射す教会で彼女の姿を認めるが、その姿はあなたが知るよりも幼い。それはもっと昔、不死たる彼女の古い伝承のものだ。あなたが近寄ると彼女はおもむろに語り始める。「その《薔薇の紋章》は《薔薇の使徒》を試すための鎖。力及ばねば、このイデアの世界で朽ち果てるでしょう。しかし、あなたは自らの意思で試練を乗り越える以上の強さを示して見せた。私たち魔女に従属する《薔薇の使徒》を束ね、人を導くに相応しい」悪意への疑惑が確信へと変わり、あなたは《薔薇の使徒》を利用して人の支配を企む魔女ヴェロニカに剣を向ける。そして戦いの果て、あなたの剣が彼女を切り裂くとその姿は灰燼と化して消えた。三度現れたクレミエールは、自身が設立した人間と魔法使いの共栄の為に設立した《ローズ》が今や不死たるヴェロニカにより悪用されている現況を憂いており、ヴェロニカの誘惑を断つ強い心を持つあなたにその陰謀を止めて欲しいと懇願する。気が付くと見慣れた《ローズ》の宿舎、右手には《薔薇の紋章》が変わらぬ姿でそこにあった。しかしあれは夢ではなく、この紋章はあなたを確かにイデア界へと導いたのだ。クレミエールの言葉を思い起こし、あなたは《ローズ》打倒を決意し、旅立つ。その手にはクレミエールの伝承から生み出された《斬撃剣》が握り締められていた。
旅の道中、再び《薔薇の紋章》に導かれてイデアの世界に迷い込んでしまう。元の世界に戻りクレミエールの意志を遂行すべく、あなたは剣を抜く。しかし、クレミエール自身も今一度あなたの素質を確かめようとしているようだ。
旅の途中で立ち寄った小さな村では、夜な夜な人が劇場に吸い込まれていくという怪事が起こっていた。村の人々を守るため、あなたは剣を手に劇場へと踏みいる。次々に襲いかかる人形を退け、最奥に到達すると巨大な女神が人々を人形に変えているのを目にする。あなたが一息に女神を貫くと、劇場は跡形もなく崩壊した。そこにマリアと名乗る少女が現れる。どうやら彼女も《ソーディア》であり、女神を操っていたのも彼女のようだ。あなたは《ローズ》の陰謀を砕くべく、彼女との戦いに臨む。
決闘を制したあなたは、マリアにクレミエールの言葉を伝える。《ローズ》が世界秩序を守るための組織と信じて忠誠を誓う彼女は、かつてのあなたと同じように動揺を隠すことが出来ない。しかし心当たりもあるのか、内部から調べてみるという。彼女と別れたあなたは、秘匿された《ローズ》の本拠地と盟主を知るため、単身ヴェロニカの屋敷へと乗り込む。ヴェロニカは《ローズ》から離反したあなたを見ると、懲罰するべくイデアを繰り出す。。
立ちはだかるイデアたちを退けると、追い詰められたヴェロニカは呪いの言葉を残して窓から身を投げた。《ローズ》の情報を得る術は失われたかに思われたが、内偵してきたマリアにより、その本拠地が霊峰「ファゴラントス」の頂にあることが知らされる。あなたはマリアと共に、その地を目指して旅立つ。険しい雪道の途中、黒ずくめの剣士たちに襲われる。右手に刻まれた薔薇の紋章とその廃人のような様相から、《薔薇の使徒》の成れの果てであろうと察する。そして彼らを率いるは、マリアとは不和の間柄であるソーニャであった。
あなたは決闘に敗れ自刃しようとするソーニャを諭す。彼女は決闘の勝者たるあなたの命に逆らうことなく、旅に新たな仲間が加わることとなった。しかしマリアとソーニャは驚く程に折り合いが悪く、何度も危険な仲裁に入る羽目になった。そうこうするうちに目的地である《ローズ》の本拠地に辿り着く。あなたたちが足を踏み入れると、待ちかねていたかの如くイデアたちが襲いかかってきた。戦いの最中、マリア、ソーニャとはぐれたあなたはある檻の前で足を止める。